税金について学ぶ

証券口座の種類:一般口座・特定口座(源泉徴収あり・なし)

株式や投資信託等の資産運用を行う際に初めに行うことは証券会社に口座を開設することですね。

そんな証券会社の口座には3種類の口座があります。

今回は証券会社の口座の種類やその特徴、そしてどの口座を選択するのが良いのかを見ていきましょう♪

3種類の証券口座

証券口座には次の3種類の口座があります。

3種類の証券口座
  • 一般口座
  • 特定口座(源泉徴収なし)
  • 特定口座(源泉徴収あり)

みなさんは証券会社に口座を開設する時にどの口座を開設するか選択することになります。

この3つの口座では、利益が出たときの税金の計算と申告を誰が行うかが異なります。

  1. 一般口座
    一年間の損益を自分で計算して、自分で確定申告を行う。

  2. 特定口座(源泉徴収なし)
    一年間の損益は証券会社が計算してくれて、それを元に自分で確定申告を行う。

  3. 特定口座(源泉徴収あり)
    一年間の損益は証券会社が計算してくれて、確定申告は不要。(源泉徴収によって納税が完了するため)

どの口座を選んだらいいの??

まなぶくん

ん~・・・。じゃあ一体どの口座を選んだらいいの??

まる

特別な理由が無い場合は特定口座(源泉徴収あり)がオススメだよ♪

特定口座(源泉徴収あり)の特徴である、”年間の損益を証券会社が計算してくれて、確定申告不要”というのは手間がかからずに私たちにとって一番のメリットになります。

実際、証券会社での新規口座開設数のうち95%以上は特定口座(源泉徴収あり)となります。

一般口座に関しては証券会社に上場していない株式(非上場株式)を保有する際に使われますが、会社を経営していたりしていない限りは不要です。

ですので、特別な理由が無い人は特定口座(源泉徴収あり)での口座開設がオススメです♪

以下の内容は税金の知識が多少ある人向けの内容となります。
興味がある人だけ読んでみて下さい。

特定口座(源泉徴収あり)で出た利益は所得にはならない

特定口座(源泉徴収あり)の特徴である、”年間の損益を証券会社が計算してくれて、確定申告不要”というのは手間がかからずに私たちにとっては一番のメリットになりますが、確定申告が不要ということは他にもメリットがあるんです。

それは、確定申告が不要ということは”税務上所得として扱われない”ということです。

特定口座(源泉徴収あり)で出た利益は税務上の所得としては扱われない

それでは、利益が所得として扱われないメリットとは何でしょうか?

メリット
  1. いくら利益を出しても扶養から外れることがない
  2. 国民健康保険料が上がらない
  3. 所得増加による税制面でのデメリット回避

それぞれのメリットを詳しくみていきましょう。

メリット① いくら利益を出しても扶養から外れない

扶養とは自分で生計を立てることが困難な人が家族に養ってもらっている状態のことをいいます。

親や夫に扶養されている状態の場合は、所得控除である扶養控除や配偶者控除の対象になりますが、扶養されている人の所得が年間48万円以上になると、自分で生計を立てることが出来るとみなされて扶養から外れてしまいます。

扶養からはずれてしまうと、扶養控除や配偶者控除が使えなくなってしまうため、その分いままで扶養していた人の所得が上がってしまいます。

しかし、特定口座(源泉徴収あり)の場合は利益が所得として扱われないため、いくら利益を出しても扶養から外れることはありません。

なので、親に扶養されている人や配偶者に扶養されている方は特定口座(源泉徴収あり)を使うのが良いでしょう。

メリット② 国民健康保険料が上がらない

国民健康保険料は所得に連動して保険料が上がっていきます。

特定口座(源泉徴収あり)の場合は利益が所得として扱われないため、利益が出ても国民健康保険料があがる事がありません。

なので、会社員(健康保険加入者)以外の人は特定口座(源泉徴収あり)を使うのが良いでしょう。

メリット③所得増加による税制面でのデメリット回避

所得が増えることにより税制優遇が使えなくなる場合があります。


合計所得金額が増えることにより影響の出る可能性のある制度は下記のとおりになります。

  • 基礎控除:合計所得金額2,500万円以下
  • 配偶者控除:本人の合計所得金額1,000万円以下
  • 住宅ローン控除:合計所得金額3,000万円以下

これ以外にも贈与税の特例にも所得制限が設けられているものがあります。

  • 住宅取得資金の贈与特例:合計所得金額2,000万円以下
  • 教育資金一括贈与の特例:合計所得金額1,000万円以下
  • 結婚・子育て資金の贈与特例:合計所得金額1,000万円以下

特定口座(源泉徴収あり)を使うことにより”知らない間に所得制限を上回ってしまい、制度を活用できない”といったことを防ぐことができます。

まる

株式等の所得を確定申告しても児童手当の所得制限には影響しないよん♪
話がややこしくなるので、詳しいことは別の機会にお話しするね!!

一方、特定口座(源泉徴収なし)と一般口座に関しては確定申告が必要になりますので、申告した利益は所得として”合計所得金額”に追加されます。

特定口座(源泉徴収あり)でも確定申告は出来る

特定口座(源泉徴収あり)は、源泉徴収により納税が完了しているため確定申告をする必要がありません。

しかし、特定口座(源泉徴収あり)でも必要に応じて任意で確定申告をすることは出来ます。

確定申告をした際は総合課税・分離課税を選択することも可能です。

まなぶくん

何で確定申告しないでいいのに、わざわざ確定申告するんだ~~!!??

まる

そう思うよね。でも確定申告をした方が税金が安くできる場合があるんだよ♪

それではどのような場合に特定口座(源泉徴収あり)を確定申告するのでしょうか?

特定口座(源泉徴収あり)を確定申告するメリット
  • 総合課税を選択した方が分離課税(20.315%)よりも税金が安くなる場合
  • 他の口座間の利益・損失と損益通算を行う場合
  • 配当金に対して配当控除を使う場合

    ・・・・・・・・・・・・・など

※確定申告をした場合は、先ほどお話したように利益は所得として扱われますので、所得控除不適用や社会保険料の増加などには注意が必要になります。

まとめ

今回は証券会社の口座種別とおすすめの口座についてみてきました。

特別な理由がなければ特定口座(源泉徴収あり)を選択して、必要な場合には確定申告をする。

これがあすなろFPテラスおすすめの選択方法になります。

みなさんの明日が素敵な日になりますように♪