所得税は誰が計算して、いつ金額を教えてくれるの??
所得税は原則、自分で計算して自分で納税するんだよ♪
所得税は役所や税務署から納税通知書が送られてくるのではなく、自分自身で所得税の金額を計算して申告する必要があります。
そして、自分で申告した所得税の金額を自分で納付することになります。
確定申告
所得税は原則として納税者自身でその年の所得税額を計算して確定させ、その金額を申告する必要があります。
この所得税の金額を確定させて申告することを確定申告といいます。
確定申告の期間は、翌年の2月16日から3月15日までの間になります。
1月1日〜12月31日までの1年間の所得から所得税の金額を計算して、翌年の2月16日〜3月15日までの間に申告するんだよ♪
この確定申告には青色申告と白色申告という2種類の申告方法があります。
青色申告には白色申告にはない様々な税制優遇があります。
青色申告について詳しくは下記を参照ください。

給与所得者で確定申告が必要な場合
ぼくは会社からお給料をもらってるけど、一度も確定申告なんてしたことないよ!?
給与所得者はお給料から税金が源泉徴収されていて、年末調整で税金の精算が行われているから、原則は確定申告をする必要はないんだよ♪
源泉徴収と年末調整についてはこの次に説明するね♪
しかし、次の場合には給与所得者でも確定申告が必要になります。

上記の医療費控除・雑損控除・寄附金控除は”所得控除”といい、所得税算出の際に所得の金額から差し引くことが出来る控除になります。
住宅ローン控除・配当控除・外国税額控除は”税額控除”といい、所得税額から直接差し引ける控除になります。
▶▶”所得控除”について詳しくはこちら
▶▶”税額控除”について詳しくはこちら
源泉徴収と年末調整
給与所得者は給与から税金が源泉徴収され、年末調整で税金の精算が行われるため、原則として確定申告をする必要はありません。
源泉徴収と年末調整って聞いたことはあるんだけど、実際にどんなことをしてるのか、実は良くワカラナイんだよね^^;
大丈夫だよ♪源泉徴収と年末調整についても、これから一緒に見ていこうね♪
源泉徴収
源泉徴収とは、みなさんの給与から税金をあらかじめ天引きしておくことです。
この源泉徴収という仕組みがあるために、税金の計算や申告・納付は会社で行なってくれて、税金を差し引いた残りがみなさんにお給料として支払われます。
だから僕は今まで確定申告をしたことが無かったんだね!税金のことも考えずに、受け取ったお給料は全て自由に使えるから楽でいいね♪
源泉徴収は、会社員の方が仕事に専念出来るという意味では非常に良い制度なんだけど、それとは引き換えに会社員の方が税金について考える機会が減ってしまうんだよね^^;
税金について正しい知識がないと、実は適用できる控除を申請していなかったりと、実際の税金よりも高い税金を支払っている場合もあるから、税金の知識は個々でしっかりと身につけようね♪
年末調整
給与から税金が天引きされる便利な源泉徴収ですが、実は源泉徴収されている金額と実際に納める税金の金額が一致しない場合があります。
この、源泉徴収された金額と実際に納める税金の金額を精算する制度を年末調整といいます。
それでは、なぜ源泉徴収された金額と実際に納める税金の金額が一致しないのでしょうか?
それには大きく2つの理由があります。
みなさんが年末調整で行うことは主に、所得控除や税額控除の申請です。
所得控除・税額控除は共に所得税の金額を安くするための控除ですが、控除は申請主義のため、要件に該当していても申請を行わないと控除は適用されません。
これらの控除を年末調整で申請することにより税金が安くなり、源泉徴収されていた金額と税金が安くなった差額分が後の給与に上乗せされる形で還付されます。
一方で、前年度よりも給与や賞与が増額された場合には、昇給による税金の増加分と控除による還付分が年末調整で精算され、昇給による税金の増加分の方が多い場合は、税金の増加分が後の給与から天引きされます。
年末調整は毎年10月〜11月に会社などを通じて必要な書類の提出を行い、税金の過不足があった場合は12月か翌年1月の給与に反映されるのが一般的だよ♪
年末調整に関しては個別ベージで詳しく説明しております。

そして、年末調整で1年間の税金の精算が行われた結果として発行されるのが、源泉徴収票です。
この源泉徴収票には年間の給与金額や税金の他、所得控除のや税額控除の金額が記載されています。
自分に今どのような控除が適用されているか確認する場合には、源泉徴収票を確認してみましょう。
源泉徴収票の見方については下記を参照ください。

所得税の納付
所得税の納付はどうやってするのかな??
確定申告をしたら納税通知書が届くのを待ってればいいの??
所得税は納税通知書などは送付されないから、確定申告をした金額を自分で期限内に納付する必要があるんだよ♪
納付期限
所得税の納付期限は確定申告書の提出期限日と同じ3月15日までになります。
※口座振替による納付を利用する場合の振替日は4月末です。
確定申告と所得税の納付の両方を3月15日までに終わらせる必要があるんだね♪
納付方法
確定申告は終わったけど、所得税の納付はどうやってしたらいいの??
税金の納付方法にはいろいろな種類があって、自分に合った納付方法を選ぶことが出来るよ♪
所得税の納付方法
- 口座振替
- 金融機関・税務署の窓口での納付
- クレジットカードでの納付
- コンビニでの納付(QRコード)
- e-Taxでのダイレクト納付
順番に見ていきましょう。
① 口座振替
”預貯金口座振替依頼書”を金融機関もしくは所轄税務署に提出することにより口座振替による所得税の納付を行うことができます。
”預貯金口座振替依頼書”の提出期限は、所得税の納付期限である3月15日までになります。
”預貯金口座振替依頼書”の提出が必要なのは初回のみ♪2回目からは自動的に口座から所得税額が振替納付されるんだよ♪
所得税の納付期限は3月15日ですが、口座振替での納付の場合、税額の引き落としは4月末になります。
残高が不足しないように4月上旬くらいに口座を確認しておくといいね♪
口座振替のメリットはなんといっても、初回のみ依頼書を提出すれば、あとは自動的に口座から納税が完了するところです。
毎年所得税の納税が発生する場合は、手間のかからない口座振替がおすすめです。
② 金融機関・税務署の窓口での納付
所得税は、金融機関や所轄税務署の窓口で現金で納付することが出来ます。
窓口で納付する場合は、現金の他に”納付書”が必要になります。
納付書は金融機関・税務署の窓口に備え付けてあります。
所得税の納付がたまにしか無いという方には、手軽で直接聞きながら納税が出来る窓口での納付はおすすめです。
③ クレジットカードでの納付
所得税はクレジットカードでの納税も可能です。
クレジットカードでの納付は、国税庁の”国税クレジットカードお支払いサイト”から支払い手続きを行います。
クレジットカードでの納税でポイントが貯まるかどうかは、カードの種類によって異なるため、個別に確認が必要です。
なお、クレジットカードでの納付の場合には約0.84%の決済手数料がかかります。
※クレジットカード以外での納税の場合は手数料はかかりません。
クレジットカードでの納付の場合、領収書などは発行されません。
④ コンビニでの納付(QRコード)
所得税をコンビニで納付するためにはQRコードが必要になります。
このQRコードはパソコンなどで自分で作成する必要があります。
QRコードは国税庁の”コンビニ納付用QRコード作成専用画面”より作成が出来ます。
なお、コンビニで納付できる金額は30万円以下になります。
⑤ e-Taxでのダイレクト納付
e-Taxを利用して所得税を納付することもできます。
e-Taxとは、インターネットを利用した国税電子申告・納税システムのことで、パソコンやスマートフォンから確定申告や納税がオンラインで行えるものです。
e-Taxでの「ダイレクト納付」なら、e-Taxで確定申告→税金の納付までの手続きをダイレクトに行うことが出来ます。
ダイレクト納付の利用にあたっては、e-Taxの利用開始手続きの後、納税の1ヶ月前までに「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」の提出が必要になります。
予定納税
予定納税とは、今年の所得税の納税額が一定額以上になると見込まれる人が、所得税の一部を先払いする制度です。
”今年の所得税の納税額が一定額以上になると見込まれる人”ってどんな人なの?
簡単に説明すると、前年の納税額(予定納税基準額)が15万円以上の人だよ♪
予定納税基準額とは?
予定納税が必要になる人は、予定納税基準価額が15万円以上の人です。
ほとんどの場合、” 予定納税基準価額 = 前年の納税額 ”になります。
しかし、前年の所得に退職所得や譲渡所得・一時所得・雑所得が含まれる場合には、これらの所得は含まずに予定納税基準額が計算されます。
予定納税は年2回
予定納税の対象者には、税務署から予定納税の金額が6月15日までに書面で通知されます。
予定納税では、前年の納税額(予定納税基準額)の3分の1の金額を年2回、次の期限内に納付します。
◎ 予定納税納付期限 ◎
- 第1期: 7月1日 〜 7月31日
- 第2期: 11月1日 〜 11月30日
もしも予定納税により納付した金額よりも、その年の確定申告で確定した税額の方が安い場合は、予定納税の金額と実際の税額の差額が還付されるんだよ♪
なお、予定納税は所得税と同じ方法で納付が可能です。
所得税の納付方法
- 口座振替
- 金融機関・税務署の窓口での納付
- クレジットカードでの納付
- コンビニでの納付(QRコード)
- e-Taxでのダイレクト納付
まとめ
今回は所得税の申告と納付の方法についてお話ししてきました。
所得税は税額の計算から申告・納付までの全てを自分で行います。
確定申告で所得税額の申告をした後は、納税通知書などは送付されないから、申告した税額を自分で納付するんだね♪
給与所得者は毎月の給与から税金分が天引き(源泉徴収)され、年末調整で税金の精算が行われるため、原則として確定申告は不要です。
確定申告を行なった後でも、申告が間違っていた場合には修正申告を行うことが出来ます。
確定申告に誤りがあると後に税務調査が入る可能性がありますので、しっかりと正しい知識を身につけて、申告の誤りに気がついた場合には確定申告の後であっても修正申告を行いましょう。
確定申告の後で税金を払いすぎていた事が分かった場合には、税金の還付を申請することも出来るよ♪
今回お話しさせてもらった内容が少しでもみなさんの資産形成のお役に立てましたら幸いです。
みなさんの明日が今日よりもっと素敵な日になりますよ~~に♪