消費税は基準期間の売上高が1,000万円を超える場合には、消費税の申告と納付を行う必要があります。
今回は、消費税の申告と納付について見ていきましょう。
消費税の確定申告
消費税は納税額の計算や申告を自分で行う必要があります。
このように、納税する消費税の金額を確定させて申告することを確定申告といいます。
確定申告って、所得税の申告をするものじゃないの??
“確定申告”って聞くと、一般的には所得税の申告を思い浮かべると思うんだけど、消費税にも確定申告があるんだよ♪
消費税の確定申告の期間は、課税期間の翌年の1月1日から3月31日までの間になります。
※法人の場合は、課税期間(事業年度)終了日から2ヶ月以内
消費税の確定申告期限は3月31日までだけど、所得税の確定申告期限は3月15日までだから注意してね♪
なんとぉ!! 同じ確定申告でも、消費税と所得税で申告期限が違うのかぁ!!
◎ 確定申告の期間 ◎
消費税
1月1日〜3月31日
所得税
2月16日〜3月15日
消費税の納付
消費税の納付はどうやってするのかな??
確定申告をしたら納税通知書が届くのを待ってればいいの??
消費税は納税通知書などは送付されないから、確定申告をした金額を自分で期限内に納付する必要があるんだよ♪
納付期限
消費税の納付期限は確定申告書の提出期限日と同じ3月31日までになります。
※口座振替による納付を利用する場合の振替日は4月末です。
確定申告と消費税の納付の両方を3月31日までに終わらせる必要があるんだね♪
納付方法
確定申告は終わったけど、消費税の納付はどうやってしたらいいの??
税金の納付方法にはいろいろな種類があって、自分に合った納付方法を選ぶことが出来るよ♪
消費税の納付方法
- 口座振替
- 金融機関・税務署の窓口での納付
- クレジットカードでの納付
- コンビニでの納付(QRコード)
- e-Taxでのダイレクト納付
順番に見ていきましょう。
① 口座振替
”預貯金口座振替依頼書”を金融機関もしくは所轄税務署に提出することにより口座振替による消費税の納付を行うことができます。
”預貯金口座振替依頼書”の提出期限は、消費税の納付期限である3月31日までになります。
”預貯金口座振替依頼書”の提出が必要なのは初回のみ♪2回目からは自動的に口座から消費税額が振替納付されるんだよ♪
消費税の納付期限は3月31日ですが、口座振替での納付の場合、税額の引き落としは4月末になります。
残高が不足しないように4月上旬くらいに口座を確認しておくといいね♪
口座振替のメリットはなんといっても、初回のみ依頼書を提出すれば、あとは自動的に口座から納税が完了するところです。
毎年消費税の納税が発生する場合は、手間のかからない口座振替がおすすめです。
② 金融機関・税務署の窓口での納付
消費税は、金融機関や所轄税務署の窓口で現金で納付することも出来ます。
窓口で納付する場合は、現金の他に”納付書”が必要になります。
納付書は金融機関・税務署の窓口に備え付けてあります。
消費税の納付がたまにしか無いという方には、手軽で直接聞きながら納税が出来る窓口での納付がおすすめです。
③ クレジットカードでの納付
消費税はクレジットカードでの納税も可能です。
クレジットカードでの納付は、国税庁の”国税クレジットカードお支払いサイト”から支払い手続きを行います。
クレジットカードでの納税でポイントが貯まるかどうかは、カードの種類によって異なるため、個別に確認が必要です。
なお、クレジットカードでの納付の場合には約0.84%の決済手数料がかかります。
※クレジットカード以外での納税の場合は手数料はかかりません。
クレジットカードでの納付の場合、領収書などは発行されません。
④ コンビニでの納付(QRコード)
消費税をコンビニで納付するためにはQRコードが必要になります。
このQRコードはパソコンなどで自分で作成する必要があります。
QRコードは国税庁の”コンビニ納付用QRコード作成専用画面”より作成が出来ます。
なお、コンビニで納付できる金額は30万円以下になります。
⑤ e-Taxでのダイレクト納付
e-Taxを利用して消費税を納付することもできます。
e-Taxとは、インターネットを利用した国税電子申告・納税システムのことで、パソコンやスマートフォンから確定申告や納税がオンラインで行えるものです。
e-Taxでの「ダイレクト納付」なら、e-Taxで確定申告→税金の納付までの手続きをダイレクトに行うことが出来ます。
ダイレクト納付の利用にあたっては、e-Taxの利用開始手続きの後、納税の1ヶ月前までに「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」の提出が必要になります。
消費税の中間申告と中間納付
消費税の申告と納付は原則として年に1度ですが、前年に納付した消費税の金額が48万円を超える場合には、翌年の途中で消費税の中間申告・中間納付を行う必要があります。
このボーダーラインになる前年納税額の48万円という金額は、地方消費税を含まない消費税(国税)のみの金額になります。

地方消費税を含まない消費税(国税)のみの納税金額は、消費税確定申告書の⑨の欄の金額になるよ♪

消費税の確定申告書の⑨の欄の金額が48万円を超えている場合には、消費税の中間申告・納付が必要になるってことだね♪
その通りだよ♪
中間申告・中間納付は消費税の前払い制度
消費税の中間申告・中間納付は、その年の消費税の一部を前払いする制度です。
なんで消費税の前払いなんてわざわざしないといけないの??年に1回の納付でいいじゃん!!?
納税額が多くなると、年に1回の納付だと金額が多くて払えなくなってしまう人も出てくるかもしれないよね♪ だから前年の納税額が48万円以上の人は消費税の一部を前払いすることで、計画的に消費税の納税が出来るようにしているんだよ。
『払えません』は認めません・・・。

上の図を見てください。
前年の消費税納税額が48万円を超える場合には、翌年は中間申告・納付が必要になります。
この中間申告・納付は、その年の消費税の一部を前払いする制度になります。
そのため、中間申告で納付する消費税額と確定申告で納付する消費税額を合算した金額が、その年の年間消費税額になります。

確定申告時に納付する消費税額
これまでの内容を確認しながら、中間申告・納付を行なった場合の確定申告時に納付する消費税額がいくらになるのかを見ていこうね♪
中間申告で納付する消費税額と確定申告で納付する消費税額を合算した金額が、その年の年間消費税額になります。

つまり、中間申告・中間納付を行っている場合は、年間消費税納税額から中間申告で納付した消費税額を差し引いた金額が確定申告で納付する消費税額になります。

一方で、年間消費税納税額よりも中間申告で納付した消費税額の方が多かった場合には、確定申告時にその差額分が還付されます。

中間申告・中間納付の回数
中間申告と中間納付は年に何回行うの??
前年の消費税納税額によって、中間申告・中間納付の回数は決まるんだよ♪
中間申告と中間納付の回数は、前年の消費税納税額に応じて次のようになります。

え〜〜〜!!年に一度の確定申告だけでも大変なのに、こんなに何回も消費税の計算をして申告なんて出来ないよ〜〜!!
安心して♪ 実際には計算や申告は不要で、中間納付だけすればいい方法もあるんだよ♪
中間申告の方法
消費税の中間申告の方法には、『予定申告方式』と『仮決算方式』の2つの方法があります。
どちらの方法を選択するかは納税者が自由に決めることができ、選択にあたって届出などは必要ありません。
このうち『予定申告方式』は中間申告が必要なくて、中間納付だけで完結する方法なんだよ♪
① 予定申告方式
予定申告方式とは、前年に納付した消費税額を中間申告の対象になる月数で割ることにより、中間納付額を計算する方法です。
たとえば、中間申告が年1回・年3回・年11回の場合の中間納付額は次のように計算します。
- 年1回 : 前年の消費税納税額 × 6/12
- 年3回 : 前年の消費税納税額 × 3/12
- 年11回: 前年の消費税納税額 × 1/12
実際には、中間納付額があらかじめ記載された納付書が税務署から送られてきます。
この納付書を使って納付をすることで消費税の中間納税は完了するため、予定申告方式の場合は、実際には中間納付額の計算や中間申告の必要はなく、手間のかからない方法になります。
消費税の納付方法を口座振替にしておけば、中間納付も口座振替で自動で行ってくれるよ♪
② 仮決算方式
仮決算方式とは、中間申告対象期間ごとに決算処理を行って、実際に中間申告の納税額の計算・申告を行う方法です。
たとえば、中間申告が年1回であれば、6ヶ月を1つの課税期間として確定申告と同じように納付税額の計算を行います。
でも、なんでわざわざ中間納付額の計算が必要な『仮決算方式』を選ぶの??
みんな計算が必要ない『予定申告方式』を選べばいいのに〜〜
確かに、『仮決算方式』は手間がかかるんだけど、『予定申告方式』よりも中間納付額を抑えられる場合もあるんだよ♪
『予定申告方式』は前年の消費税納税額を元に中間納付額を計算します。
そのため、前年の消費税額が多い場合には、今年の実際の業績に関係なく中間納付額も多くなってしまいます。
具体的には、以下のようなケースでは『予定申告方式』よりも『仮決算方式』の方が中間納付額を抑えることができます。
- 前年の消費税額が多かった場合
- 今年の売上が大きく減少した場合
- 今年の仕入れが大きく増加した場合
- 今年、多額の設備投資をした場合
だから、中間納付額の計算や申告の手間がかかっても『仮決算方式』を選ぶ人がいるんだね!!
そうだね♪ でも、中間納付で多くの消費税を支払っても確定申告の時に還付されるから、『予定申告方式』でも『仮決算方式』でも年間の消費税納税額は同じになるんだよ♪
消費税の中間申告・中間納付は、その年の消費税の一部を前払いする制度です。
そのため、中間納付により前払いした消費税と年間消費税納税額との差額が確定申告時に納付する消費税になります。
一方で、中間納付により前払いした消費税が年間消費税納税額よりも多かった場合には、確定申告時にその差額が還付されます。
つまり、中間納付の金額にかかわらず、年間の消費税納税額は同じになります。
なので、仮決算方式は年間の消費税納税額が安くなるわけではなく、あくまでも中間納付額を抑えられる可能性のある決算方式になります。
まとめ
今回は消費税の申告と納付について見てきました。
今回の内容をまとめると次のようになります。
消費税の納付方法
- 口座振替
- 金融機関・税務署の窓口での納付
- クレジットカードでの納付
- コンビニでの納付(QRコード)
- e-Taxでのダイレクト納付


今回お話しさせてもらった内容が少しでもみなさんの資産形成のお役に立てましたら幸いです。
みなさんの明日が今日よりもっと素敵な日になりますよ~~に♪