今回は所得税の基本的な知識について見ていきましょう。
などなど・・・・・。
あらためて考えてみると、意外と分からないものもあるのではないでしょうか?
大丈夫♪1個づつ説明していくから、一緒に所得税の基本を見ていこうね♪
所得税ってどんな税金?
所得税とは、その名の通り所得に対してかかる税金です。
所得税って、一体誰に税金を支払ってるの??
所得税は国に対して税金を支払っているんだよ♪
国税と地方税
所得税は私たちの所得に対してかかる税金で、国に対して税金を支払います。
じつは、この所得税の他にもう一つ、私たちの所得に対してかかる税金があります。
それは、住民税です。
この住民税も所得税と同じく所得に対してかかる税金ですが、住民税は都道府県や市町村などの地方自治体に対して支払う税金です。
所得税は国に税金を支払うから“国税”・住民税は地方自治体に税金を支払うから“地方税”って言うんだよ♪
- 所得税と住民税は所得に対してかかる税金
- 所得税は国に税金を支払っている(国税)
- 住民税は地方自治体に税金を支払っている(地方税)
所得税は税金の計算・申告を自分で行う
所得税は税金の計算や申告を自分で行います。
このように税金の計算・申告を自分で行う方法のことを“申告納税方式”(しんこくのうぜいほうしき)といいます。
所得税を計算して、確定した所得税の金額を申告することを“確定申告”っていうんだよ♪
僕は会社からお給料をもらってるけど、一度も確定申告なんてしたことがないよ??
会社員は、お給料から所得税が天引きされていて、会社が所得税の申告と納付を代わりに行なってくれているから、基本的には自分で確定申告をしなくてもいいんだよ♪
一方の住民税は地方自治体が税金を計算してくれて、私たち納税者に通知してくれます。
このように、税金を課税する側である国や地方自治体が、税金を計算して納税者に通知する方法のことを“賦課課税方式”(ふかかぜいほうしき)といいます。
賦課課税方式の場合は、納税通知書が送られることにより私たち納税者に税金の金額が通知されます。
“申告納税方式”と“賦課課税方式”っていう難しい名前は覚えなくていいよ♪税金には自分で計算・申告をするものと、計算してくれた税金を通知してくれるものの2種類があるってことだけ覚えておいてね♪

所得と収入の違い
“所得税は所得に対してかかる税金”っていうことは分かったけど、所得と収入ってどう違うの??
収入から必要経費を差し引いたものを所得っていうんだよ♪
みなさんが得たお金(=収入)からこれを得るためにかかった必要経費を差し引いた金額が所得となります。
例えば年間の売上(収入)が500万円で、この売上のために商品の仕入れ等(必要経費)に200万円かかっていた場合の所得は下記のように計算します。
収入500万円 ー 必要経費200万円 = 所得300万円
僕は会社員だけど、仕事で使う為のスーツや鞄とかは必要経費としてお給料から差し引けるのかな??
会社員やアルバイトの人には必要経費はないんだよ♪その代わりに”給与所得控除”といって、お給料に応じた金額が控除として差し引けるようになっているんだよ♪
会社員やアルバイトの人が仕事で使うために購入したもの、例えばスーツや鞄・手帳・クリーニング代などは個別に必要経費にすることは出来ません。
その代わりに、会社員やアルバイトの人は受け取ったお給料の金額から給与所得控除という控除を差し引くことが出来ます。
この給与所得控除は会社員やアルバイトの人たちの必要経費にあたるものなんだね♪
課税所得金額とは?
分かったよ!!所得税は、この収入から必要経費を引いた“所得”に税率を掛けて求めるんだね♪
オシイ!!所得税は、この“所得”から“所得控除”という控除を差し引いた“課税所得金額”に税率を掛けて求めるんだよ♪
課税所得金額とは、所得から所得控除を差し引いたものになります。
この所得控除とは、一定の要件にあてはまる場合に、その人の所得金額から差し引くことが出来る各種控除のことをいいます。
みんなの様々な経済的負担を考慮して所得税の金額を決めるために、この“所得控除”というものがあるんだよ♪
▶▶“所得控除”についてはこちら
そして、この課税所得金額に所得税の税率を掛けることにより、所得税の金額が決まります。
可処分所得とは?
あれ??お給料から何かが差し引かれて、手取り金額が少なくなってるぞ??一体お給料からは何が引かれているんだ??
みんなのお給料からは所得税と住民税、そして社会保険料が引かれているんだよ♪
みなさんのお給料からは所得税と住民税、そして社会保険料が引かれています。

そして、お給料から所得税と住民税・社会保険料が引かれた残りの金額が“手取り金額”としてみなさんに支払われます。
この“手取り金額”のことを可処分所得(かしょぶんしょとく)といいます。
お給料から税金や社会保険料が引かれた後の“実際にみんなが自由に使えるお金”のことを可処分所得って言うんだね♪
所得税が非課税になるもの
所得の中には所得税が非課税になるものがあります。
どんなものが非課税になるのか一緒に見ていこうね♪
- 通勤手当(月15万円まで)
- 生活用品の売却による所得
- 宝くじの当選金
- 保険会社から支払われる保険金のうち、病気や怪我・資産の損害に対して支払われるもの
- 社会保険の給付金の一部
- 年間103万円までの給与
- 年間108万円までの公的年金(65歳未満)
- 年間158万円までの公的年金(65歳以上)
順番に見ていきましょう。
① 通勤手当(月15万円まで)
会社から支給されている通勤手当には所得税がかかりません。
会社から支給されている通勤手当は、みんなが実際に通勤するのに必要なお金であって、それで利益(所得)を得ているわけではないよね♪だから、通勤手当は所得税が非課税なんだよ♪
なお、月に15万円以上の通勤手当が支給されている場合には、15万円を超える部分は給与として支給されているものと扱われ、所得税の課税対象になります。
② 生活用品の売却による所得
日用生活で使用するものを売却したことにより生じた所得に対しては税金がかかりません。
家具・服・食器・自転車・車・日用家電・本など
ただし、貴金属や宝石・書画・骨董などで、1個(または1組)の価格が30万円を超えるものの売却による所得は課税対象になります。
③ 宝くじの当選金
競馬やパチンコで得た利益に対しては税金がかかりますが、宝くじの当選金は非課税です。
競馬やパチンコは税金がかかるのに、どうして宝くじだけ非課税なの??
じつは、宝くじは購入した時点で既に税金を支払っているからなんだよ♪
そうなんです。じつは、宝くじは購入金額の約40%が税金として地方自治代に支払われています。
1口300円の宝くじの場合だと、購入金額の300円のうち約120円は税金を支払っていることになるんです。
このように、宝くじは購入時に税金を支払っているため、当選金に対しては非課税になっているんです。
ちなみに、宝くじの還元率(お客さんが支払った金額に対しての払戻金の割合)は約45%で、最も分が悪いギャンブルと言われているんだよ♪
④ 保険会社から支払われる保険金のうち、病気や怪我・資産の損傷に対して支払われるもの
保険会社から支払われる保険金のうち、ケガ・病気・資産の損傷に対して支払われる保険金に対しては税金はかかりません。
この、ケガ・病気・資産の損傷に対して支払われる保険金には次のようなものがあります。
- 手術給付金
- 入院給付金
- 火災保険の家の損傷に対する保険金
- 自動車保険の人の怪我や車の損傷に対する保険金
・・・・・など
一方で、保険が満期を迎えた際に支払われる“満期保険金”や保険を解約した際に支払われる“解約返戻金”などに対しては、税金が課税されます。
満期保険金や解約返戻金は、今までに払い込んだ保険料よりも受け取った満期保険金・解約返戻金の方が多かった場合に、その差額に対して税金がかかるよ♪
⑤ 社会保険の一部の給付金
みなさんが民間の保険会社で任意で加入する保険を民間保険といいます。
これに対して、国民の生活保障を目的として国家主導のもと加入が義務付けられている保険のことを社会保険(公的保険)といいます。
社会保険には次の様なものがあります。
国民年金・国民年金基金・厚生年金・厚生年金基金・国民健康保険・健康保険・雇用保険・労災保険・・・・など
この社会保険から支払われる給付金のうち、死亡・障害・休業・失業などに対して支払われる給付金に対しては税金はかかりません。
遺族年金・障害年金・傷病手当金・休業補償給付・出産手当金・育児休業給付・失業手当・・・・など
一方で、通常の年金(老齢年金)に関しては、年間で一定以上の年金額に対しては税金が課税されます。
この年金に対して税金がかかるラインである“一定金額”については、このあとの⑦・⑧で説明するね♪
⑥ 年間103万円までの給与
年間で103万円までの給与は非課税になります。
※給与以外に所得がない場合
でも、どうして103万円までのお給料には税金がかからないの??
それは、所得税が収入から必要経費と所得控除を引いた課税所得金額に対して課税されるからなんだよ♪
そうなんです。所得税は課税所得金額に対して税率を掛けて算出されます。
言い換えると、この課税所得金額が0円であれば・・・・・そう、所得税が非課税になると言うわけです。
給与所得者が誰でも適用できる控除には、給与所得控除と基礎控除という2種類の控除があります。
給与所得控除は年間給与総額に応じて控除額が異なりますが、最低でも55万円の控除が適用できます。
基礎控除は誰でも適用できる所得控除で、48万円の控除が適用されます。
なので、給与金額からは合計で103万円の控除を差しくことが出来るんです。
よって、給与金額が103万円以下の場合は、控除金額内におさまるため、所得税は非課税になります。
※給与以外に所得がない場合
この非課税になる103万円というラインは“103万円の壁”なんて呼ばれたりもするね♪この103万円という金額は、扶養内で働ける限度額でもあるんだよ♪
この“103万円の壁”については下記にて詳しく説明しております。

⑦ 年間108万円までの公的年金(65歳未満)
65歳未満の人は、年間108万円までの公的年金が非課税になります。
公的年金に関しても給与と同じ様に、受け取った年金の金額(収入)から控除金額を差し引いた課税所得金額に対して税金がかかります。
だから公的年金の場合も、受け取る年金額が控除金額の中におさまっていれば、所得税が非課税なんだね!!
その通り♪公的年金には、公的年金等控除という控除が使えるんだよ♪
公的年金には、誰でも適用が出来る基礎控除(48万円)の他に、公的年金等控除という控除を使うことができます。
この公的年金等控除は、年金を受け取る人の年齢が65歳未満か65歳以上かで控除金額が異なります。
65歳未満:最低60万円〜
65歳以上:最低110万円〜
なので、65歳未満の人の場合は、基礎控除48万円に公的年金等控除の最低金額である60万円を加えた、合計108万円の控除金額以内であれば、所得税が非課税になります。
保険会社で加入した年金保険から受け取った年金にも、この公的年金等控除は使えるのかな??
残念ながら保険会社で加入する保険は公的年金ではないから、この公的年金等控除は使うことが出来ないんだよ♪
公的年金とは、国民の生活保障を目的として国や企業などにより運営されている年金のことをいいます。
公的年金等控除の対象になる年金には、この公的年金を中心に次のようなものがあります。
国民年金・国民年金基金・厚生年金・厚生年金基金・企業年金・確定拠出型年金・小規模企業共済・年金として受け取る退職金・・・など
なので、民間の保険会社から支払われる年金に対しては、この公的年金等控除は適用されません。
⑧ 年間158万円までの公的年金(65歳以上)
公的年金等控除は、年金を受け取る人の年齢が65歳未満か65歳以上かで控除金額が異なります。
65歳未満:最低60万円〜
65歳以上:最低110万円〜
なので、65歳以上の人の場合は、基礎控除48万円に公的年金等控除の最低金額である110万円を加えた、合計158万円の控除金額以内であれば、公的年金にかかる所得税が非課税になります。
まとめ
今回は“所得税の基本”についてみてきました。
タイトルには“基本”とありますが、所得税を理解するために知っておきたい知識や、知っておいて損は無い豆知識などが沢山詰まった内容になっています♪
もう一度内容を簡単におさらいしてみよう♪
- 所得税は所得に対してかかる税金
- 所得税は国に対して支払う税金
- 所得税は自分で税金の申告・納付を行う
- 給与所得者の税金の申告や納付は会社が行ってくれる
- 収入から必要経費を差し引いたものが所得
- 収入 ー 必要経費 = 所得
- 給与所得者には必要経費の代わりに給与所得控除がある
- 給与 ー 給与所得控除 = 所得
- 課税所得金額とは所得から所得控除を引いた金額
- 所得 ー 所得控除 = 課税所得金額
- 課税所得金額に税率を掛けて所得税は算出される
- 可処分所得とは、給与から所得税・住民税・社会保険料が引かれた金額のこと
- 給与 ー 所得税 ー 住民税 ー 社会保険料 = 可処分所得
- 給与から税金・社会保険料を差し引いた“実際に自由に使えるお金のこと”を可処分所得という
- 通勤手当(月15万円まで)
- 生活用品の売却による所得
- 宝くじの当選金
- 保険会社から支払われる保険金のうち、病気や怪我・資産の損害に対して支払われるもの
- 社会保険の給付金の一部
- 年間103万円までの給与
- 年間108万円までの公的年金(65歳未満)
- 年間158万円までの公的年金(65歳以上)
みんなに伝えたい知識が沢山あって、盛り沢山な内容になっちゃった♪
今回お話しさせていただいた内容が少しでもみなさんの資産形成のお役に立てましたら幸いです。
みなさんの明日が今日よりもっと素敵な日になりますよ~~に♪
▼▼ NEXT PAGE ▼▼
