税金の知識

【図解】 源泉徴収票の見方

みなさんが受け取っているお給料からは税金が源泉徴収され、年末調整で税金の清算が行われておりますので、原則として確定申告をする必要がありません。

▶▶”源泉徴収”についてはこちら

▶▶”年末調整”についてはこちら

年末調整でみなさんが行うことは所得控除税額控除の申請です。

まる

みんなが年末調整の時に提出している用紙は、所得控除税額控除の申請をしているんだよ♪

そして、この年末調整の結果発行されるのが源泉徴収票になります。

今回はこの源泉徴収票はどの様に見ればよいかを一緒に学んでいきましょう♪

所得税の求め方(給料のみの場合)

源泉徴収票にはみなさんの1年間のお給料からどの様に所得税が計算されたのかが記載されております。

この源泉徴収票の内容を理解するためにも、まず初めにお給料から所得税がどの様に計算されているのかを見ていきましょう。

STEP 1 : 収入から所得を求める

みなさんに支給されているお給料は給与収入といいます。

まる

年間の収入のことを”年収”って呼んだりするよね♪

所得税は所得に掛かる税金なので、収入にかかるものではありません。

そこで、所得税を算出するためにはこの収入から所得を計算する必要があります。

所得とは収入から必要経費を差し引いたものになります。

収入 ー 必要経費 = 所得

しかし、給与所得者の場合は必要経費が認められておりません。

そのため、給与所得者には必要経費の代わりに給与所得控除額という給与収入から差し引ける控除があります

給与所得を求める計算式は次のようになります。

給与収入 - 給与所得控除額 =給与所得

給与所得控除の金額は給与収入額によって異なり、下記の表で求められます。

給与所得の計算等については個別ページで詳しく説明しております。
▶▶”給与所得の計算”について詳しくはこちら

STEP 2 : 所得控除

所得控除とは、所得税を計算する際に所得の金額から差し引ける控除のことです。

所得控除には15種類の控除があり、それぞれ要件や控除金額が異なります。

STEP2ではSTEP1で求めた給与所得からこの所得控除の金額を差し引きます。

給与所得 ー 所得控除の合計金額

STEP 3 : 所得税額を求める

STEP2で求めた金額(給与所得-所得控除)に所得税の税率を掛けて、所得税額を求めます。

所得税は所得金額が上がるほど税率も高くなる”超過累進税率”になっています。

実際に計算する際には下の速算表を使います。

例えば、STEP2で求めた金額が500万円の場合は、

500万円×20%-427,500円=572,500円

よって、所得税額は572,500円になります。

STEP 4 : 税額控除

税額控除とは、所得税額から直接差し引ける控除のことです。

STEP4ではSTEP3で求めた所得税額から税額控除を差し引きます。

所得税額 ー 税額控除の金額

税額控除には主に種類の控除があります。

税額控除

住宅ローン控除
住宅ローンを利用して住宅を取得したり増改築した場合に控除を受けることができる。

配当控除
配当所得について確定申告を行い、総合課税を選択する事で控除を受けることができる。

外国税額控除
外国で所得税に相当する税金が課税された場合に、確定申告をすることにより控除を受けることができる。

この種類の控除の中で年末調整で申請が出来る控除は住宅ローン控除の1つのみになります。

残りの2つの税額控除(配当控除・外国税額控除)を申請するには、確定申告が必要になります。

源泉徴収票には年末調整で申請した所得控除・税額控除のみが記載されております。

そのため、確定申告が必要な所得控除・税額控除は源泉徴収票には記載されておりませんので、気を付けましょう!!

源泉徴収票の見方

源泉徴収票にはみなさんの1年間の給与・賞与の合計金額や所得税の金額・所得控除や税額控除の金額が記載されています。

それでは、実際の源泉徴収票を見ながら”どこに何が記載されているのか?”を一緒に見ていきましょう。

源泉徴収票はどんな時に必要?

源泉徴収票は、自分の給与の額や各種控除の金額、所得税の納税額など様々なことが確認出来るとても便利な書類です。

まなぶくん

今年の源泉徴収票の内容は確認したから、もう処分してしまっても大丈夫かな??

まる

源泉徴収票は実際に使用する場合もあるから、処分せずに保管しておいた方がいいよ~♪

それでは、源泉徴収票が実際に必要になる場合とは、どのような時でしょうか?

転職するとき

1年の途中で転職をする場合は、転職先に源泉徴収票を提出する必要があります。

これは、転職先で年末調整をする際に、前の職場の源泉徴収額と合算する必要があるからです。

源泉徴収票は前の職場から退職する時に交付されます。

確定申告をするとき

会社員の人が確定申告をする場合は源泉徴収票の提出が必要になります。

これは、確定申告が源泉徴収票の内容を元にして行われるためです。

会社員の人でも、年の途中で退職して年末時点で再就職していない場合や、その他下記の様な場合には確定申告が必要になります。

収入を証明するとき

銀行でローンを組んだり、保育園の利用申請をするとき、賃貸契約をするときなどに必要な収入証明書として源泉徴収票を使用することができます。

まとめ

今回は会社から発行される源泉徴収の見方についてお話させていただきました。

  • 自分の収入がいくらで、所得税をいくら支払っているのか。
  • 自分に現在適用されている控除にはどんなものがあるのか。

などなど、源泉徴収票の見方が分かると様々なことが確認出来ます。

そして、転職をするとき・確定申告をするとき・収入を証明する時には源泉徴収票が必要になりますので、無くさないように保管しておきましょう。

まる

もしも源泉徴収票を無くしてしまった場合は、勤務先にお願いすれば再発行してもらうことが出来るよ。

今回お話しさせてもらった内容が少しでもみなさんの資産形成のお役に立てたら幸いです。
みなさんの明日がより良い日になりますよ~~に♪